最有幫助的差評
3.0 顆星,最多 5 顆星昭和史シリーズの付録版ながら、問題意識は共有したい
2019年11月25日 在日本審核
著者の昭和史シリーズ三作の付録として、一般民衆の関心事を優先して、著者がこれまで調べた雑誌や新聞などの記事をあげることで、太平洋戦爭に至り、終戦が遅れる過程での昭和の大衆心理を描こうとした作品です。期待通り、半藤節で、とても読みやすく、楽しく読めます。
もっとも、獨立した作品として単獨で読むにはあまりふさわしくありません。昭和史シリーズを読了後か、終戦に至るまでの現代史に一定の知識のある方に向いています。星一つ減點。
著者の人生をかけたテーマは、太平洋戦爭であのような大敗を喫するにいたったのは、誰がなぜなにをしたからか、しなかったからか、ということですから、大衆心理が敗戦までどういう狀態を経ていたか、とても大事な研究対象であることに違いありません。
研究書としては、本書は客観性や網羅性においてやや物足りないです。仮定設定し、それを証明するため研究した、というアプローチでは必ずしもないようです。むしろ、著者のこれまでの調査対象を整理しなおしたものにとどまっている印象がします。もう一つ星を減點。
戦爭指導者や大衆がどのように考えてあの戦爭に至ったか、研究者による様々な一般書が出版されてきましたから、より深く知りたい方、考えたい方は、研究者の著作を複數読まれるのがいいと思います。